春なのに ガラスのハート

啓蟄.
「二十四節気の一.現行の太陽暦で三月六日頃.冬ごもりをしていた虫が穴から出てくることをいう」
春目前の今日この頃です.
近所を散歩していると白梅が咲いたり白木蓮日向水木が咲き,いい季節になってきました.

そんな季節とは裏腹に昨年から里山クラブを手伝ってくれていたA君が心の風邪にかかったらしく長期休養に入ってしまいました.
A君は私がリストラで職場を離れるまで部下として活躍してくれていた.
性格的にチームで仕事をするより一人でコツコツやるタイプで,彼に適した仕事を任せればいい成果を出せる力があり,戦力になってくれました.
そんな彼が何故?

思い起こせば私も同じように「心の風邪」と言われるうつ状態に陥り1年ほどモンモンとした時期を過ごしたことがあります.
人それぞれ心の風邪をひくプロセスがあると思いますが,私の場合は会社の動きに自分の考えが追従できなかったことが原因だった気がします.
管理職になって変に「物事はこうあるべき,そのためにはこうすべき」と,自分の考える理想像に固執して現実とのギャップにイライラしていました.

ストレスに対して体は非常に正直で思い起こすと変わった行動が多々ありました.
まずは眠れない,正確には夜遅く帰って着替えもせずに食卓に座り,二階のベッドまで歩けない程何時間でも酒を飲み続ける.
どうにかベッドに潜り込んで寝ても翌日の仕事が気になって眠りが浅く,早朝の新聞配達のバイクの音で眼がさめてもう眠れません.
出社しても仕事が進まず朝100通を越えるメールを読むのに半日がかり,週に1回でも出張すればメールを読むためにわざわざ休日に出勤しました.
今なら笑えますが車で帰る時,赤の点滅信号を待てば青に変わると思い込みずっと止まっている.
わき道から交通量の多い道へ怖くて出れない etc

2000年の10月5日の朝もどうにか出社して恒例の100通メールを受信している最中に「オレって何やってるんだろう?」と考えた瞬間に張り詰めていた気持ちがプチッと切れました.
ここから覚えているのは仕事の報告に来た部下を怒鳴り散らしたこと,早退して昼間から酒を飲んだこと(全く酔わなかったが).電話がなると会社からの呼び出しと決め付けて出ようとする山ノ神を叱り飛ばしたこと.
30年真面目に勤めても崩れるのは瞬間でした.

それからは二週間休んで一週間出社してまた一ヶ月の休み,以後は月曜日はほとんどが休み,出社しても気分が乗らなければ早退か仕事もせずにパソコンで遊んでいる様な生活が一年続きました.
当時の日記を読み返すと毎日こんな境遇へ落ちる原因を作った犯人探しと心の中を覗いては結論のない心理分析を繰り返していました.
そして1年後にはりっぱな?リストラ候補.
今にして思えば誰のせいでもなく精神的に幼く弱かったため,なるべくしてなった挫折です.

話を戻してA君ですが根が真面目な青年で立ち直ればこれからいくらでも楽しいことがあるはずです.
リストラおじさんで役に立つならいくらでも力になってあげたいと思います.
早く元気になってまた里山で焚き火を囲んで酒盛りをしようじゃありませんか!